合成皮革について
今回も生地のお話です
この合成皮革という生地は名前の通り、見た目や感触が皮のようになっています
主に襟回りやポケット口などのワンポイントに使われることが多いですが
全身に使用して、まるで本物の皮革製品のように仕上げられているものも少なくはありません
少し前までは塩化ビニルと言う生地が主流でしたが、ドライクリーニングも水洗いもできる
ポリウレタンが開発されてからは、塩化ビニルの方はほとんど見なくなりました
安価で加工しやすく部分使用もできて個性が出せると利用頻度は上がる一方のポリウレタンですが、
たった一つ、とても大きな弱点があります
このポリウレタン、耐用年数が非常に短い、つまりとっても弱い生地なんです
この生地自体はとても薄いセロファンのような感じで、軽く引っ張っても簡単に破れてしまいます
綿やポリエステルなどの生地の上に、接着剤のようなもので張り付けて強度を保っています
なので接着効果が薄れたり、物理的なダメージを追うと、ポリウレタンが基布から剥がれてしまいます
そうなると、ボロボロになるまではあっという間です
数社の服飾メーカーさんに問い合わせてみたところ、すべての製品に当てはまるわけではありませんが
大体作ってから2~3年で接着が弱くなるものもあるそうです
実際には5年以上持つものも多いですがダメになるときは突然です
それでもポイント的な使用をしただけで、高級感が出たり、おしゃれな感じを演出できる優秀な生地で
あることは間違いありませんので、これからも増え続けていくと思われます
当店では合成皮革製品をお預かりできますが、保証や事故時のメーカーへの問い合わせはできません
触ってみてべたつきを感じたら、そろそろ生地としての寿命が近づいていると考えられます
上記のような生地であることをご理解いただいたうえで、お預かりさせていただきたいと思います